冬の高知龍馬空港
天気予報では大寒波の恐れ
天気予報では大寒波の恐れ
高知龍馬空港は、北は四国山地、南は太平洋に挟まれ、海あり山ありの空港である。さらに周辺には田畑が広がり、その長閑さはどこか懐かしさを感じさせる。この空港に初めて訪れたのは5年前の夏だった。空港を覆い尽くす夏草に、照りつける太陽。青い海に、発達する積乱雲。空港の所在する「南国市」の名前の通り、まさに南国の風景に魅了された。
そんなお気に入りの空港を訪れるのはいつも夏の盛りであり、冬は初である。明石海峡から淡路島を経て、徳島県の鳴門ICまでは高速道路を利用。そこからは一般道を走り、四国山地を縦断する。(勿論高速道路で高知まで行く事も可能)途中観光地である大歩危・小歩危を過ぎる頃、道路脇には数日前に降った雪が残っていた。天気予報によると数日後に日本列島を大寒波が襲うらしい。特に日本海側には大雪への注意が促されていた。雪の気配を感じながら、徳島から約4時間のロングドライブの末、高知龍馬空港に到着した。
夜明け前から降り続いた雪
観測史上最高の積雪に
観測史上最高の積雪に
高知入りしてから2日が経ち、一番の気掛かりは天気である。予報では相変わらずクリスマス寒波の襲来を伝えていた。車にスタッドレスタイヤを履いているとは言え、不慣れな土地での降雪は不安である。また、高知県は周囲を山と海に囲まれており、道路が通行止めになれば、他の地域との行き来も困難になる。大雪の前に松山に移動するべきだろうか。
しかしそんな心配とは裏腹に、高知での雪景色を期待する気持ちもあった。高知県では愛媛県境の四国山地で積雪する事は珍しくないが、太平洋側の高知市(空港の隣市)で積雪する事は稀である。国内の県庁所在地で見た場合、宮崎市、静岡市に次いで3番目に雪が少ない都市でもある。
悩んだ結果、高知に残る選択をした。選択をしたというよりは、判断しきれずに留まったと言った方が正確かもしれない。高知市周辺では、そこまでの積雪は予想されていなかった。
その日の夜は特に冷え込んだ。車中泊をするには厳しい寒さで、午前3時頃目が覚めた。未だ雪は降っておらず、もう一度寝袋に潜る。午前5時頃外を見ると、車の周りには雪が積もり始めていた。急いで支度して空港に向かう。常宿とする道の駅から空港まで約10kmの道は、吹雪で視程が悪化し、まるで雪国の光景だった。
夜明け前に降り始めた雪は午前9時頃まで降り続き、空港を雪景色に仕立て上げた。空港隣の高知市では、観測史上最高の14cmの積雪を観測した。
雪の止んだ快晴の朝
朝の光が照らす絶景
朝の光が照らす絶景