EOS R5, RF24-70mm F2.8 L IS USM  F8, 1/2000, ISO400
今年も熊本に春がやってきた。俵山と風車群をバックに、RNP Y RWY25アプローチを実施した787。4年越しの夢が叶った瞬間である。
滞在期間を通して、日中にRWY25に着陸したのは、このNH645便のみであった。
4年越しの風景を求めて 熊本へ
阿蘇くまもと空港は、熊本市中心部から約20km離れ、東側に阿蘇の山々が広がる情景豊かな空港である。標高196mの高台にある事も特徴で、下界の喧騒から少し離れ、どこかのんびりした空気が流れている。周囲に目を向けると、台湾の半導体メーカー「TSMC」が空港隣市に工場を建設中であり、人の流れは活性化している。空港周辺で、ホテルを予約するのも一苦労だ。
そんな春の熊本に初めて訪れたのは、4年前だった。菜の花畑と飛行機の絡みに感動し、ここで787を撮るのが目標になった。
しかし、そのチャンスはなかなか訪れなかった。コロナ禍で機材の小型化が進み、熊本便に787が投入される気配は無くなった。もう叶わない夢と諦めていた中、NH645便に787がアサインされたのである。
ただし、アサインされたからといって、必ず撮影出来る訳ではない。熊本空港では殆どがRWY07への着陸で、菜の花畑のあるRWY25に着陸する事は稀である。それは風向きや、他の便の到着タイミングによって左右される。遠征するには、ある種の賭けであり、運も必要なのである。
結果どうなったのか。答えは一枚目の写真である。
待ち焦がれた春 命の儚さ
EOS R5, RF24-70mm F2.8 L IS USM  F8, 1/1000, ISO400
空港近隣に咲いた桜。画面左側の桜は上部に花が付かず、あまり元気が無いようだ。毎年必ず会える訳では無い。ただでさえ開花期間の短い桜だが、その儚さをより一層感じる事になった。
EOS R6, RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM F7.1, 1/500, ISO640
夕焼けの金峰山をバックにアプローチするJL2389便。畑に咲いた春を添えて。